ジャズのアドリブ・ソロ上達のためには、名演奏のコピーが一番と言われます。

自分でレコードから耳コピーするのが一番練習になるのでしょうが
なかなか時間の取れない社会人や、サックス初心者やジャズ入門者にとって
その時間と労力は並大抵のものではありません。

市販のアドリブ・コピー譜を購入して、好きなサックス奏者のアドリブ・ソロの
自分が吹けそうな部分から真似てみるというのもいいのではないでしょうか。



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2009年09月28日

セッションで使われるフェイクブック


ザプロフェッショナル スタンダードジャズハンドブック /伊藤伸吾 編

ザプロフェッショナル スタンダードジャズハンドブック /伊藤伸吾 編

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 中央アート
  • 発売日: 2006/07/19
  • メディア: 楽譜




20年以上、ジャズを聴いたり演奏してきた自分なりに
「スタンダードジャズハンドブック /伊藤伸吾」
に対して感じることは次の2点です。

@コードやメロディーが
  一般的に演奏されてきたものとあまりにも違う曲が多い。
A「スタンダード・ジャズ・ハンドブック」と銘打つにしては
  一般的に演奏されてきた曲で収録されていないものが多い。

しかし@については
スタンダード曲を著者がどのように解釈をしようが自由であり
同じようにAについても
どのようなタイトルと選曲で出版しようが著者の自由だと思います。

嫌ならば買わなければいいだけなので
とくに苦言を呈するつもりはありません。

ジャズの演奏をはじめようと思う多くの人にとって
サイズや曲数、譜面の見やすさ、価格とのバランスなどで
確かにちょうどよい本に思えるかもしれません。


ただ自分が疑問に感じることは
日本全国のアマチュア向けジャム・セッションの多くが
「スタンダード・ジャズ・ハンドブック/伊藤伸吾」を
唯一の題材とする傾向が強いことです。

私が住む街のジャズのジャム・セッションの多くでも
参加者のほとんどが
「スタンダード・ジャズ・ハンドブック/伊藤伸吾」
だけを見て演奏しており
この本にない曲を提案すると却下されます。

なぜこの本を唯一無二のバイブルのように思い込むのでしょうか?

少しジャズ演奏の経験の長い人ならば
この本には違和感を覚える解釈が多いと思います。

もっともコードやハーモニーに対する感覚というのは
かなり個人差が大きいと思うので
もしかすると長くジャズの演奏に携わっていた人でも
まったく違和感を感じない方もいるかもしれません。

しかし少なくとも自分の場合は
ジャム・セッションなどで一緒に演奏しながら
「なんだかおかしな進行で弾く人だなあ・・・。」
とやりづらく感じる人は
たいてい「スタンダード・ジャズ・ハンドブック/伊藤伸吾」
を見ながら演奏する人であることが多いです。


著者は前書きの中でこう記しています。
「メロディやコード、テンポが原曲と違う部分があるかと思います。
リズム・パターンやテンポはあくまでも参考程度にしてください。」

これからジャズを始める人たちのためにも
少しだけ長くジャズの演奏に取り組んできた者として
「スタンダード・ジャズ・ハンドブック/伊藤伸吾」が
スタンダード・ナンバーの標準的な解釈ではないことを
積極的に周囲に伝えるべきなのかもしれません。
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2009年09月17日

パーカー・スタイルの変遷


チャーリー・パーカー―モダン・ジャズを創った男

チャーリー・パーカー―モダン・ジャズを創った男

  • 作者: ウォイデック カール
  • 出版社/メーカー: 水声社
  • 発売日: 2000/12
  • メディア: 単行本




いわゆる“パーカー・スタイル=ビバップ Be-Bop と呼ばれる奏法”が
どのようにして完成されていったのか
チャーリー・パーカー Charlie Parker の奏法の変化を
残された録音を、豊富な譜例を示しながら分析しています。

アドリブ・ソロをコピー Transcribe する上でも
とても役に立つと思います。

これまでチャーリー・パーカー Charlie Parker に関する書物は
ゆかりの人物へのインタビューやエピソードに基づいて
彼の人物像を描いたものがほとんどで

このように純粋に彼の音楽的な変遷に焦点を当てたものは
他に類を見ないと思います。

巻末には詳細なディスコグラフィー Discography を付録。
"Honey & Body""Oh, Lady Be Good""Parker's Mood""Just Friends"
の4曲のアドリブ・コピー譜 Transcription も掲載されています。
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2009年09月12日

なぜ12キーの練習か?


Daily Warm-up Exercises for Saxophone

Daily Warm-up Exercises for Saxophone

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Hal Leonard Corp
  • 発売日: 1996/05
  • メディア: ペーパーバック




サックスの初心者、ジャズの入門者に
「何か良い練習法は?」と聞かれたときに自分は
"Daily Warm-up Exercises for Saxophone/Jackie Mclean"
をすすめることにしています。

色々なスケール(音階)とコード(和音)を
12キー(調性)すべてで効率よく練習できるように
24ページとコンパクトにまとめられています。
価格も $7.95 と日本の教則本では考えられない安さです。

ジャズ・サックスをはじめると
「12キー(調性)で練習しろ。」とはよく言われることです。

ジャズ・アドリブ演奏のもっとも大きな魅力のひとつは
コード進行の多様さにあると思います。
たとえばCキー(ハ長調)の曲だからと言って
“ドレミファソラシ(ド)”の7音だけで
アドリブができるわけではありません。

1曲の中でほかのキー(調性)への転調がありますし、
代理コード、Altered Scale オルタード・スケールなど
本来ほかのキー(調性)のコード(スケール)音を随所に使って
はじめて“ジャズらしい”フレーズになります。

そこで必要なのが12キーの響きを体で
(目で耳で、そして指で)覚えることだと思います。

しかしそこそこ演奏できているように見える人でも
Major メジャー(長調)と Minor マイナー(短調)のスケールを
12キー(調性)すべてできちんと吹けない人が
意外に多いように思います。

機械的で単調な教本なので、けっして楽しくはありませんが
練習前に必ず行うウォーミングアップとして習慣にすれば
サックスの演奏能力は確実に一段上のレベルに進めるはずです。

また12キー(調性)のすべてでサックスを演奏することは
楽器の“鳴り”も育てられるので、一石二鳥と思います。

Jackie Mclean ジャッキー・マクリーン は
彼の生徒に、まずはこの教本を暗唱させたそうです。
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2009年08月12日

アドリブ・ソロをコピーする意味

最近は趣味でジャズのサックスを演奏する人が
とても多くなっているようです。
アマチュア演奏者向けのジャム・セッションを開催する店も
日本各地に増えているようです。

それにともないジャズのアドリブ入門者を対象とした教本も
かつてとは比較にならない数が発売されています。
中にはスタンダード曲のソロの書き譜が載った教本もあり
「譜面は読めるし、サックスも吹けるけど、アドリブは・・・。」
という人にはうれしい存在かもしれません。

先人のソロをコピーしたり、フレーズやリックを学ぶのは
アドリブ・ソロ上達のためのひとつの過程であると
しっかり認識した上で練習できる人はいいのですが

これら書き譜ソロの載った教本は
楽譜の通りのソロが吹ければジャズを演奏できた、
と勘違いさせてしまう危険性もはらんでいると思います。

それら学習者が吹くことを前提に書かれたソロ
(しかも中にはかなり難易度の高い楽譜もあります)
を練習するのであれば

ジャズの演奏家が残した“生きた”アドリブ・ソロのコピーに
挑戦した方がよほどジャズらしい感覚を身につけられると思います。
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